【夫婦で片付けの価値観が違うときは?】ストレスを減らす3つのコツ|整理収納アドバイザーが解説

はじめに
夫婦で片付けの価値観が違うのは自然なこと

「自分はスッキリ暮らしたいのに、夫(妻)はなかなか捨てられない」

「見える収納が好きな夫と、隠す収納が好きな私」

そんな“片付けの価値観の違い”で悩むご夫婦はとても多いです。

実は、これはどちらかが正しくてどちらかが間違っているわけではなく、育ってきた環境や生活リズムの違いから生まれる、ごく自然なことなんです。

でも、毎日のことだからこそ、ちょっとした違いがストレスになりがち。

そこで今回は、整理収納アドバイザーの視点から、
「夫婦で片付けの価値観が違うときの3つのコツ」をご紹介します。

正しさより「違いを知る」ことから始めよう

人にはそれぞれ“モノとの付き合い方”のクセがあります。

たとえば、

• 実家がモノを大切にする家庭
→ 「もったいない」と感じやすい

• 引っ越しや転勤が多かった家庭
→ 「持たない方がラク」と感じやすい

つまり、相手がモノを捨てられないのは「性格がだらしないから」ではなく、背景が違うだけなのです。

まずは、片付けの話をする前に、
「どうしてそう思うの?」と聞いてみること。

相手の考え方を“採点せずに聞く”だけで、空気がやわらぎます。

共有スペースには「共有物だけ」を置くルールを

片付けでぶつかる原因の多くは、
“どちらのルールで片付けるか”のズレです。

しかし、リビングやダイニング、玄関などの共有スペースは、家族みんなが使う場所です。

だからこそ、「誰のものかわからないモノ」が置かれると、散らかりやすくなります。

そこでおすすめなのが、
“共有スペースには共有物だけ置いていい”というシンプルなルール。

たとえば、

• テレビのリモコンや共用文具
• 家族で使うカレンダーやタブレット
• 家族のアルバムや季節の飾りなど

このように“家族で使うもの”だけを置くようにすると、自然とスペースに一貫性が生まれ、片付けの判断もラクになります。

また、個人の持ち物(お財布、かばん、仕事の資料や趣味のものなど)は、それぞれの「自分スペース」に戻す習慣をつけることで、リビングのスッキリ感をキープできます。

• 共有スペースや共有棚は“モノを持ちすぎない”を基本にする
• 個人の持ち物は個人のスペースで管理する
• 個人の引き出しやボックスは“自由に使ってOK”

これだけで「自分のやり方を否定された」と感じにくくなり、気持ちの良い距離感が保てます。

相手を変えようとせず、“安心感”を渡す

「なんで片付けないの!」
つい言いたくなる言葉ですが、責められると人は動けません。

それよりも
「ここに置いた方が取りやすいよ」
「一緒に見てみようか?」
のように安心を感じる言葉をかけるのがコツです。

片付けは“相手を変えること”ではなく、
二人が気持ちよく暮らせる仕組みをつくること。

優しい声かけの積み重ねが、心地よい空間を生み出します。

見栄えよりも「ラクで続けられる収納」を選ぼう

片付けが苦手な人ほど、最初から完璧を目指すと続きません。

まずは見た目の美しさより、“ラクで簡単にできる収納方法”を選ぶことが大切です。

たとえば、

• 扉を外して、出す、しまう動作をかんたんに
• フタを外してそのままポイッと入れられるカゴ
• よく使うモノをワンアクションで取れる場所に置く

といった“手間の少ない仕組み”にすることで、自然と片付けが習慣化していきます。

「使いやすい=片付けやすい」収納を意識するだけで、
夫婦での片付けもぐっとラクになります。

価値観の違いは「暮らしを見直すチャンス」

夫婦で片付けの価値観が違うのは、決して悪いことではありません。

むしろ、お互いの考え方を知るチャンスです。

• 正しさより「違いを知る」
• 共有スペースは共有物だけ
• 相手を変えようとせず、“安心感”を渡す

この3つを意識するだけで、
片付けが「ストレス」から「安心」に変わります。