暮らしは足し算と引き算を見極めると自分らしく軽やかに生きられる

そろばんに触れてみたいと言い出した娘。
私は小学校の授業で少し触れたかなぁくらいの記憶で、まったく使えません。そろばん教室に通う子どもが机の上でそろばんをはじく姿がかっこよく見えたりしたっけ。

これからの時代は計算力は必要ないでしょ~と安易な考えの私ですが、そろばんは左脳だけでなく右脳に効果があるのだとかで、近頃また人気の習い事のようです。

どうしても触れてみたいときかない娘に根負けし、誰かおうちで使っていないそろばんが眠っていないだろうかとあたってみたのですが、やはり今の時代そろばんを持っているおうちはなく、文房具店などあちこち探しまわったのですがこれまた取扱いがなく、結局ネットで一番安価なそろばんを購入しました。

そろばん教室に通っていた主人によると、足し算引き算だけでなく掛け算割り算もできるのだと初めて知りました。笑。

二人がそろばんに向かう側で読書をしていたのですが、そろばんを弾く音が心地良く、せっかくなので自分の右脳も鍛えようと娘といっしょに学び始めると、3分で撃沈。私の頭の中にはすでに暗算や筆算が入っているためか、はたまた、脳の老化なのか、すんなり頭に入ってこないのです。

脳が一気に不具合を起こしたような感覚。
すぐに読書に戻ったのはご想像通り。笑

足し算と引き算、暮らしにどちらも必要だよなぁなんて、なんでも整理収納術につなげたくなるのは職業病。

私たちは小さな頃から生きていくのに必要な足し算を十分過ぎるほど教わります。それはいつの間にか、普通はこれくらいという線引きをして無意識に周囲と足並みを揃えることで安心し、またそのどれか一つ持っていないと落第点をつけられたような気持ちになって落ち込んだり。

でも、当然なのかもしれません。なぜなら出る杭は打たれる文化だし、暮らしは足し算で溢れ、引き算の方法を教わる機会は圧倒的に少ないのです。

そして大人になっても足し算がつづくのです。
40代の様々な統計を見て自分がどの位置にいるのか確認して不足していると思えば足すにはどうしたらいいか頭を悩ませ、これがあると便利だよ、今はこれが流行ですと様々な戦略にもまんまと流されてしまう。

今でこそ、シンプルライフや断捨離やミニマリストといった言葉が世間で認知され、50代からは、60代からは、老後の暮らしはコンパクトにといったフレーズを耳にするようになりました。

ですが、暮らしの中で引き算を取り入れていくことは、なにも年齢で区切る必要はなく、まして子育て中はモノが溢れかえっていても仕方ないと諦めるのではなく、「これって本当に必要?」と自分に問いかけ、とことん向き合えば、自然と軽やかに生きていけるような気がします。

足してばかりの暮らしではなく、かといって減らしていくばかりの暮らしでもなく、ときどき立ち止まって誰でもない自分の真ん中にあるものを確認して、限りある時間、お金、空間、気持ちを有意義に使っていきたいと思います。

皆さんは
今の暮らしの何を減らして、何を足したいですか。