生前整理や片付けの中でも、多くの方が悩まれるのが「着物」や「喪服」といった衣類です。
普段はあまり着る機会がないのに、思い出や必要性を考えると手放しにくく、さらに、押し入れやタンスを占領してしまうことも多いですよね。
今回は「捨てにくい衣類」をどのように整理していけばよいか、そのポイントをお伝えします。
1. 着物の整理
着物は高価で思い出もあり、捨てにくい代表格です。
しかし、タンスに眠ったままでは「使えない宝物」になってしまいます。
• 残す基準を決める
→ 思い出が深いもの、今後も着る可能性があるものだけに絞る
• 譲る・リメイクする
→ 家族に受け継ぐ、バッグや小物に仕立て直す
• 寄付や専門店への相談
→ 買取やリユースも活用すると活かす道が広がります
2. 喪服の整理
喪服は「いざという時に必要」と思うと手放せません。
しかしサイズが合わなくなったり、デザインが古く感じられることもあります。
• 今の自分に合うものだけ残す
• サイズが合わないものは処分や譲渡へ
• シンプルな1着を準備すれば安心
「いざという時に着られない」ほうが困るので、今の体型や年齢に合った喪服を1着決めておきましょう。
3. 「捨てられない衣類」の心の整理
衣類は「思い出」や「役割」と結びついているので、感情的に手放せないことも多いです。
そんなときは無理に捨てるのではなく、「残す方法」を選んでみてください。
• 写真に残す
• 思い出の一部だけ取っておく
(帯だけ、布の一部だけ)
• 「ここに入る分だけ」と枠を決める
【もしも、手持ちの喪服が着れなかったら?!】
喪服は葬儀や告別式といった特別な場で必要になりますが、頻繁に着るものではありません。
「久しぶりに着てみたらサイズが合わなくなっていた」
「デザインが古く感じてしまう」
そんな理由で、慌てて買い直す方も少なくありません。
ですが、すぐに新しい喪服を購入するのではなく、まずはクローゼットの中をもう一度確認してみることをおすすめします。
代用できる衣類を探すポイント
実は、普段使いしている黒い服の中にも、喪服の代わりとして着られるものがあります。
• 黒いパンツと黒のジャケットの組み合わせ
• 黒、紺、グレーなどの無地のワンピースやスカート
• 黒のブラウスやアンサンブル(飾りや光沢のないもの)
一式そろっていなくても、手持ちの黒いアイテムを組み合わせるだけで十分に落ち着いた装いになります。
【注意したいこと】
喪服の代用を考えるときには、次の点に気をつけましょう。
• 光沢の強い素材や華美なデザインは避ける
• 色はできるだけ真っ黒、もしくは黒に近いダークカラーを選ぶ
• 立場(親族なのか、参列者なのか)によって求められる服装は変わる
お通夜であれば「地味な平服」でも許容されることが多いですが、告別式の場合はより格式が重んじられるため、状況に合わせて選ぶことが大切です。
Needs Tokyoからひとこと
近年は、価値観の多様化や高齢化社会を背景に、一般葬よりも家族葬を選ぶ方が増えている傾向にあります。
葬儀の場では礼儀やマナーが大切にされますが、一番大切なのは「故人を偲ぶ心」だと思うのです。
多少形式から外れていても、黒や落ち着いた色合いの服であれば十分に気持ちは伝わります。
大切なのは、心を込めて見送ること。
その気持ちがあれば、服装に過度な不安を持たなくてもよいとわたしは感じます。
喪服は頻繁に使うものではありません。
だからこそ「すぐに買い替える」のではなく、まずは今ある黒い衣類で代用できないか確認することが無駄を減らす工夫になります。
そのうえで、「やはり1着はきちんとしたものを持っていたい」と感じる場合は、自分の体型に合った準喪服や略礼服を一式用意しておくと安心です。
暮らしを軽やかに保つために、喪服も「持ち方」を工夫してみてはいかがでしょうか。
着物や喪服の整理は、「思い出」と「実際の暮らし」のバランスをどう取るかが鍵です。