生前整理のお手伝いしていると、
「あぁ、これは残して本当によかったですね」と心から思える宝物に出会うことがあります。
逆に「思い切って手放してよかったですね!」と笑顔になれる瞬間も。
今日は実際にあった一場面をご紹介します。
宝物のように残したアルバム
ある70代のご婦人の生前整理をお手伝いしたときのことです。押し入れの奥から、古いアルバムがいくつも出てきました。若いころの旅行の写真や、お子さんが小さいころの遠足の写真。ほこりを払いながら一枚一枚めくると、自然と笑顔がこぼれます。
「これね、主人と初めて行った京都旅行なのよ」
そう話される姿はとても幸せそうでした。
ご家族に引き継ぎたい写真を数冊だけ残し、お気に入りの写真は毎日眺められる場所に飾りました。結果、押し入れも気持ちもすっきりし、大切な思い出はしっかり守ることができました。
手放してよかった大型家具
一方で、大きな婚礼タンスもありました。
立派な桐のタンスですが、中は整理して、ほとんど空っぽ。
「でも高かったから、捨てるのはもったいなくて…」
と長年置いたままにされていました。
訪問4回目、
「思い切って業者さんに引き取ってもらうことにするわ。子どもたちも使わないって。あなたが来てくれてる間に処分したいと思ったし、いろいろ考えてみて、もう十分に使ってきたから満足してるわ」と。
後日、部屋が広々としたのを見て、ご婦人はとても驚かれました。
「こんなに広かったのね〜これで気持ちまで軽くなったわ」
その言葉に、私もホッとしました。
生前整理は選ぶこと
生前整理は、ただ物を減らす作業ではありません。
大切なものは宝物として残し、今の暮らしに合わないものは感謝して手放す。
その繰り返しです。
宝物を再発見する喜びと、重荷を下ろす安心感。
どちらも味わえるのが、生前整理の魅力だと感じています。