実家に帰省すると
「来てくれてありがとう」
と、父が言う。
ほんの小さなことをしても
「あぁ、助かるわ、ありがとう」
と、何度も母は言う。
大したこと、していないのにな。
ほんとうは
「ありがとう」って
わたしが言う言葉なんだけどな。
ばぁばにくっついて離れない娘。
なにやらじーじと盛り上がる主人。
ときどき、甲高い笑い声や大きな笑い声が聞こえて
カラッと乾いた洗濯物を取り込み
広くて青い空を見あげれば
平凡な時間にこそ、しあわせを噛み締めるとき。
久しぶりに見た熱海の花火は目の前でドッカーン!と心に響きました。
「ありがとね!じゃあ、また来月も来るから」
と言うと、
「うんうん、ありがとう、ありがとう」
と、また父母が言う。
バックミラーに映る母が
初めて小さく見えた今年の夏のこと。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。